贖罪と《焔》の息吹
（伊坂那美）

子供の頃から　あまり丈夫な方では　なかったけれど
将来の夢は　大家族のお母さんに　なることだった

それなのに
《私にとっては幸運の、しかし周りにとっては不幸の子(さいしょのこ)》を
守れなかったのは何故?
赦されざる咎の色　青い春

私は生涯　この罪を背負ったまま
生きるでしょう　償うでしょう　泣き言はもう捨てよう
夢見た朝　眠れぬ夜　全てアナタの　物語
運命を　呪わない　母親でいたい

新しい子を生すことは　あの子への裏切りだと
思っていた　朝と夜を繰り返し
あの子の分まで　新しい子を
唯...【幸0304(せ)にする事】こそが　本当の償いだと悟った

那美（〔願ひ(えまのねがい)〕が神々に届いたのか、
我が子の経過は
奇跡的なまでに順調だった）

夫「もし、神が1000人殺すなら、
1500人産めば良いさ！」
──と《内縁の夫(おっと)》は笑った
那美「って何神話のスケール感だに！」
──だなんてツッコめる程
順調で　幸0304(せ)だった

通い慣れた坂道を　真っ直ぐに下れば
負けられない戦場の　白い壁

断続的...　疼くような痛み...　その周期も...
段々短くなり...　痛みも激しくなり...　時が迫る...

長い夜が　白み始めても
母親には　堪えられない──痛みなどない!
全ての苦しみも　全ての悲しみも
幾千の夜を越えてきた痛みは　この日の為に

下腹部が燃えるように熱い
薄れゆく...　意識の中で...
アナタの息吹を

赤子「おぎゃあ、おぎゃあ･･････」
那美「おはよう... ほむら...」



選択肢左
「母もあなたのような【覚悟】で私を生んだのかな･･･。
今の私には、この結末が最良だったとは
到底思い難いけど･･･。
それでも、命を懸ける母親の【覚悟】、
その実存は認めるわ。
この結末こそが大神の御心なのね。」
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姫子？　🐾
▼

選択肢右
「最期に目的を果たしたあなたは、
さぞ充足感を得たことでしょうね。
でも、そこに後悔はないのかしら？
残された子のことを想うと、
この結末が最良だったとは到底思い難い。
それでも、この結末こそが大神の御心･･･。」
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