（ワタシは「《第三の書庫》」から其の地平線に《意識と呼ばれるモノ》を接続した…
【彼女】には幼子が居た。あらゆる地平に於いて多くの親がそうで在るようだが、其れらに輪を翔けて溺愛と呼ばれる状態に在った。しかし、其の子供は然る事情に依り死んでしまう。その堪え難い《喪失》から目を逸らした女は、骨と化した我が子を抱いたまま陽光の中を彷徨う……。
此の悲劇の結末を左←→右すると予\想される《因子》。ワタシは【彼女】のad921d60486366258809553a3db49a4aを【否定】してみた…
さて。箱の中の猫は、生きているのか？　死んでいるのか？　其れでは、檻の中を覗いてみよう−−−）

通い始めた《坂道》　まだ肌寒い《潮風》
揺らした《後髪》が　あなたの《頭》を撫でる
掛替えのない　温もり背中に　感じながら……

遠ざかる笑顔に手を振りながら　誰もが今日を生きる
もう泣かないわ　また春が来る……

通い慣れた《坂道》　微笑むような《木漏れ日》
地栗鼠と《戯れる》　あなたの《頭》を撫でる
掛替えのない　温もり手の平に　感じながら……

失った隙間を埋め合いながら　誰もが明日を生きる
それでも変わらない　愛を求め……

病に倒れた母が逝く…　その様を…　父と二人見送った…　長い永い夜…
荒れた冬の海に父も逝き…　亡骸を…　一人見送った……

「けほっけほっ…けほっ…幸せ…」
「大丈夫かい？心配するな、お父さんがいる！」
「くそっ！こんなところで！帰るんだ！娘の所n…」
「大丈夫かい？しっかり。ワシらがついとるから」

空虚な季節の中…　私は閉じていた…
歪な蒼い貝殻のように……

哀しみ　哀しみ　哀しみ　哀しみ　哀しみ　哀しみ　哀しみ　哀しみ　哀しみ　哀しみ　哀しみ 哀しみ 哀しみ　哀しみ　哀しみ　哀しみ　哀しみ 哀しみを…
(哀しみは繰り返す　波の音色に似た調べで )

優しい人達　流す涙
孤独の色に　寄り添えぬまま

「大丈夫かい？」
「しっかりな、ワシらがついとるから！」
「ああ、そうだそうだ！」
「大変だったね！困ったことがあったら、いつでも言って！」
「ああ、ゆっくり元気になればいいのよ」

乾く隙間を彼が舐めた　獣にも似たギラつく眼で
優しい声色　赤い夕陽
滲んでいたけど　全てを許した

「やぁ、君も一人なのかい？
　今日の波の音色は哀しみにとても似ている。
　哀しいかい？
　君の瞳に映る夕陽は本物より美しいよ…」

嗚呼…　燃え上がる花は咲き乱れ
夜の果てに散った…

「ふふ…はははははは…」

二人の−−−
朝日を裏切り彼が行く…　その事を…　誰が…　誰が見送った？　暑い熱い夜…
さよならも言えず残された…　季節の中…　一人…　唯…　一人……

今にして思えば　あなたは既に《私の胎内》にいた？
独りじゃない　私の家族　もう二度と喪いたくないっ！

「もう一度信じてみよう！」

あなたが居たから　私は《人生》に
《希望》を見つけて　生きてこれた　My Dear
この《灯火》失ったら　きっと私
ダメになっちゃう　堪えられない……

「もしもし、先生ですか！？子どもが急病なんですよ！ええ！お願いしますよ！大きな嵐が…先生！」
「？？？」
「別の先生に当たってみよう」
「そうだ！」

「ええい！」
「しっかりな！」
「頼むぞー！」
「？？先生！」
「見せなさい！」
「大変なんですよ、９度も上がって....」
「どうぞ、よろしくたのんまっせ！」

あなたが高熱を出した嵐の夜　本土に電話を掛けてくれたのは
あなたを産むことを頑なまでに　反対してた人達でした
そ　し　て
嵐の夜なのに小さな漁船うを出して　危険も顧みず助けてくれたこと
その想いに応えてくれたお医者様は
《年齢の割に早くも総白髪だけれど立派なおヒゲがチャーミングな先生》だけでした−−−

柳の樹皮に解熱作用があるって　識っていたかい？
ほらっ！（笑）
Yuck!
だが、これなら苦くない《最新の医薬品ッ》！
《あの時の魔法のお薬》？
Yes!

それからの私は　先生の《突貫診療所》へ
通う内に　身の回りの　お世話を始めた……

ゆらゆら揺らめく
《経営的判断に基づく取捨選択》と
《社会的地位に絡む棚》と
《私的人生領域に及ぶ犠牲度合い》
目の前の《理想だけでは救えない事が多い生命》の天秤

「何の為に　この道を選んだ？」
嵐の夜に　そう問われた気がした……

「もう一度信じてみよう！」

嗚呼…　海を見つめる《瞳》が時折…　不意に遠くなる…
この人も…胸の奥に…
哀しみを…抱いているんだ……

それは…　私には分かち合えない…　重い荷物なのでしょうか？
「好き」
その一言が言い出せず閉じた…　唇は貝のように……

私の愛した人達はみな　私の前からいなくなった
それでも私は　この【第九の現実】と
向き合うことから　逃げ出さないわ
だから　もう少しだけ　神様
《本当の勇気を得るまでの猶予\》をください……

(Dear John,

I hope this letter finds you safe and well.

I guess you'll be very surprised to get ths letter. I heard that now you live on the ??? island.
How do you live there? I know very well that you have a strong sense of justice
and you're gente. I surely believe anybody who lives on the island must be ??? as you.
It's been a long, long time since the last time I saw you. I don't like to say it but i really
got old while you became a fine doctor.
I write (?) you because I have something to tell you. To be honest with you, I'd like to tell you
some words that I have got in my head and I haven't been able to tell you for a long time.
...)

「先生ー！お手紙が来てまーす！
　むむ？差出人は女性？
　先生！これは一体どういうご関係のっ…いったぁ！」
「おいおい、気をつけなさい…ああーっ！」
「あっ…うふふ、ふふふ、ふふふ…」