降り出した雨の中、君と
終わりへと向かう物語
幸せだった日々が　音を立てて
崩れていく

優しかった君の細い手が
当然のように僕をすり抜けて
行き場をなくして彷徨うこの手は
雨に濡れた

言葉を交わす度に傷つけ合って
いつしか僕らは　変わってしまったね
引き止めたいのに　行くなって言いたいのに
この腕は、この口は何故（なぜ）、動いてくれない

行かないで、と言って　その手を掴んでいれば
今も、ずっと　隣で笑ってくれていたかな
ありがとうも、さよならも　何１つ言えないまま
最後の笑顔がずっと　瞼の裏に焼き付いてる

全てが終わったその後で
本当の君のことが、分かったんだ
僕を守るため　離れていったことを、
その理由を

突き放した言葉も　仕方なくついた嘘も
見抜けずに、傷つけていた
独りで　泣いていたの？　誰にも言えずに･･･
ただずっと、僕のために苦しむ君なんて

いらないよ、と言って　その手を拒んでいれば
僕もずっと　隣で泣いてあげられたかな
「大丈夫、僕がいる」とそれさえ、言えないまま
忘れていた泣き顔が　瞼の裏で滲んでいる

君はいつも　僕を守ってくれていたのに
僕の瞳（め）は何一つ、見えていなかった
この手で君を傷つけ、追いつめて
それなのに君はまだ
変わらない「そのまま」で、笑っていた

あの日、僕が君を信じて進んでいれば
未来は違ってたかな　君を、救えたかな
優しかったその声も、温かい眼差しも
君が残したものを　全て受け止めるよ

心に降った雨は　今でも止まないまま
君への懺悔とともに　永遠（とわ）に降り続けて
ありがとうも、さよならも今はもう、届かない
それでもずっと叫ぶよ
この瞳（め）で　虹を見つけるまで