静かな　炎の中
砕けた膝をただ眺めていた
心は鉛のように　重く深く　絶望しても

共に罪を背負い　生きる共犯者（なかま）だと知る時に
もう一度抉（こ）じ開けられ　無機質な悦びが満ちる

咽（むせ）るほど　込み上げるの
黒い　脈が　体を駆ける
何もかも　嘘なら　良い
嗚呼　今　きっと私は泣いている

終わりゆく　夜の尽（はたて）
白い　水に　壊されてゆく

いつのまにか　影と成り
皺（しわ）と成り　散と成って
貴方はもう　何処にも　いない

激しい　雨の中
傘も無い　靴も無い　電話も無い
こうして　見下ろす世界は　全て灰色

瞳を閉じた時　一体どんな　景色が見えるだろう
コンクリートから伝わる温度だけが　私のリアル

痛いほど　震える喉（のど）
黒い　呼吸を　空　が　飲み込む
汚れた　肌が　雨に溶けて
嗚呼　今　きっと私は嗤（わら）っている

風　になる　消えた真昼
白い　線　が　歪（いびつ）に　包む

いつのひにか　もじ　と　なり
おと　と　なり　みず　と　なって
あなた　と　また　めぐり　あいたい